子供の虫歯の予防

大人の方でも,お子さまでも歯科疾患の予防で最も大事なことは歯ブラシです。しかし,そのことを保護者の方が理解していても小さいお子様の場合は歯磨きさせてくれず,困っているという相談を時々,受けます。

基本的に歯は骨より硬い層で表面が覆われています。しかもお口の中は唾液があります。唾液は食物を飲み込みやすくする働き以外に歯の表面を潤し,守る作用も持っています。そしてお子さまは一般的に大人の方と比較して唾液が多い傾向にあります。また虫歯の細菌の栄養になるのは砂糖です。砂糖の摂取量が多ければ,それだけ虫歯の細菌が繁殖してしまいます。特に注意したいのが,健康に良いと勘違いしている食品です。大人の方であれば,のど飴や栄養ドリンクで,お子さまであれば乳酸飲料などでしょうか。これらは体の一部分には効果があり,健康を増進してくれる食品だと考えますが,歯に対してはむしろマイナスになってしまうので注意したいところです。

つまり虫歯は下の図に示すように,3つの要素が全て揃ったときに始めて発生します。そのため本来であれば簡単に歯が溶けたり,穴が開いたりはしないはずなのです。

カイスの輪.jpg

 

ですから,歯磨きを初めて体験するお子さまにはお父さま,お母さまが歯磨きすると楽しい・さわやかというのを見せてあげるのが大事です。歯磨きが楽しい行為だとお子さまが感じてくれれば,自分から歯磨きをやり始めます。

ところで歯は再石灰化(再構築)と脱灰(崩壊)のせめぎ合いが常に起こっていることを御存じでしょうか?歯が溶けてかけて白濁が起こっている状態だからと言ってすぐ,削ってしまうのはお薦めできません。お子さまにとって歯を削るためのドリルの音や振動は歯医者嫌いにさせる最短距離です。できるだけ削らないような治療が好ましく思います。

 

脱灰と再石灰化 しーそー.jpg

食事をすると摂取した食物を小さくしなければならないためにお口の中は酸性になります。歯が溶けだす境界はPH5.5とされています。間食は胃が小さいお子さまにとっては大事ですが,間食は甘いものを食べる機会も多く,注意が必要です。

 

 

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間食が多いと,常に歯が溶ける状況になってしまいます。

 

1食事とPH.gif

 

 

この脱灰優位な状態から逃れるためにフッ素が利用されています。古くからフッ素は歯の再石灰化を促すことが証明されているからです。

 

フッ素の地kら.gif

 

ただし歯磨きに興味を持つ年齢ではブクブクうがいはできませんので,泡状のフッ素をお薦めします。 このフッ素は淡い甘みのある泡状のため,うがいをする必要がありません。極論ですが,歯磨きをし始めたばかりのお子さまは完璧に歯ブラシが出来なくても,フッ素の力を借りても良いのではないでしょうか?毎食後に歯ブラシするのが前提条件ですが。

またお子さまが歯ブラシができたら,褒めてあげてください。その後,「お口の中をお母さん(お父さん)に見せて」と言って,仕上げ磨きをしてあげると良いでしょう。その際に注意しておきたいことは,ゆっくり,力を入れずに歯ブラシを動かしてあげることが大切です。なぜならお口の中に物が入り,自分の意図通りに動かせない状態は誰でも嫌なものだからです。

 

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お子様の奥歯が生えてきたら食べかす(プラーク)が貯まりにくいように,歯の溝の部分を予防的に充填すると虫歯になり難くできます。この処置はフィッシャー・シーラントと呼ばれます。6歳臼歯や12歳臼歯などの永久歯に対しても有効な処置なので,お薦めします。

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