歯周病の治療

 

歯周病(歯槽膿漏)の原因は食べカスなどの歯垢(プラーク)が原因であることが証明されています。また歯垢にリンやカルシウムが沈着して硬化する歯石は最近の溜まり場になっています。歯周病の原因菌に関しては100年以上前から検証が続けられていますが,混合感染であるためすべての細菌を特定できていないのが実情です。しかも細菌バイオフィルムという集合体を形成しているため,単独の細菌と比較して白血球などの免疫物質からの攻撃を回避し,抗生物質の効果も減弱させてしまいます。

 このバイオフィルムが厚くなれば厚くなるほど悪玉菌が増加するとされているため,お口の中を清潔にすることが歯周病の予防と治療に欠かせない要素となります。

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@)歯周病の診断

歯周病の診断は患者さまの現在のお口の中の歯肉の状態の把握(歯周ポケット測定)とプラークの付着状態ならびに歯の動揺度(歯を支える支持組織の喪失が大きいと歯が動く)に基づいて行います。この検査はプローブという道具を用いることからプロ−ビングとも呼ばれます。 このプローブを用いて歯肉の深さを測り,どれだけ破壊が進行しているかを診断します。

プロービング3.jpg プロービング2.jpg

 

Pとポケットの関連.jpg

 

A)歯周病の治療   

歯周病の治療で一番大事なことは,患者さま本人に治療に参加していただくことです。なぜなら,どんなに歯科医院で歯石を除去してお口の中を清潔にしても,毎日三度のお食事や間食によりお口の中はすぐに汚れてしますからです。そのため毎食後の歯磨きがとても重要になってきます。そこで当院では,歯科衛生士が患者さまの歯磨き状態の現状を把握し,効率的な歯の磨き方や工夫などをお話して,歯の汚れが残らないようにします。

ブラッシング 前後.jpg

 

 

しかし,すでに硬化している歯石は歯ブラシの柔らかい毛先で除去するのは不可能です。そこで歯石の除去を行う必要が生じます。歯石の除去は超音波スケーラーという装置を用いて行います。歯を削るのではなく,超音波により歯石を破壊する装置です。当院で用いている道具は歯科用超音波装置で定評のある白水貿易社製のP-MAXです。このP-MAXは他社製品と比較して出来るだけ弱い出力で患者さまの負担にならないような設計になっています。詳しくはP-MAXの超音波チップを開発された錦部製作所のHPを参照してください。

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超音波スケーラー (3).jpg

 

 

歯周病が重度かつ歯をできるだけ保存したい場合は歯周外科と呼ばれる複雑な処置が必要になります。歯周外科に何種類か方法がありますが,分かりやすく説明すると歯肉の下に隠れている歯石を見える化して除去します。また必要に応じて,骨が溶けてしまっている部分の骨を再生させたり,腫れている歯肉を取り除いたりします。

 

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さらに組織付着法と切除法は次の図のような種類に分けられます。最も頻度が高い方法は歯肉剥離掻爬(ソウハ)術です。

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このように歯周外科に様々な方法がありますが,経年的に見た場合,どの方法を採用しても統計学的に有意差が出ないことが報告されています。ただし,前提として外科処置後にキチンとしたメンテナンスを受けている必要があります。そのため,大事なことは外科処置では無く,如何に毎日のお手入れをするかが歯と歯肉の健康に重要であるかが分かります。

 

 

C)メンテナンス(定期検診)

 

歯周病と全身との関係

 歯周病の原因となる歯垢(プラーク)は全身の病気と深い関わりがあることが近年,明らかにされつつあります。ペリオドンタル・メディスンという名前で専門に研究している研究者もいるほどです。お口の中で増殖した細菌たちを全身に伝播させないためにも,しっかりとしたケアーが必要です。
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 また寝たきりの要介護者では飲み込み(嚥下)が上手くいかないことも多く,お口の中の細菌が誤嚥性肺炎を引き起こす原因になっていることも多くあります。

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