虫歯の治療

虫歯の治療は進行度と治療する材料により治療回数が異なってきます。


1.虫歯が表層でとどまっている場合
  まだ穴(実質欠損と呼びます)が開いていない虫歯で,白濁している状態。これは虫歯のごく初期の状態であるため再石灰化する可能性があります(ただし年単位での回復)。この段階では歯を削るよりも高濃度フッ素の塗布やフッ素含有のうがい薬を使用します。また多数の白濁している歯がある場合には,ジュースや炭酸飲料の多量摂取などの原因が無いか生活習慣の改善も見直す必要もあります。

2.虫歯で穴(規模は小〜中)が発生している場合

すでに穴(実質欠損)が生じてしまっている状態ではいくらフッ素を塗っても穴が塞がることは望めません。規模が大きい場合は被せないる必要がありますが,規模が小から中の場合は詰めれば済む場合が多いです。材料は大きく分けて二つです。


@)CR(コンポジット・レジン:白いプラスチック様の詰め物                      

   虫歯が咬む面や歯の外面(頬側)など一面に限局している場合は,型をとらずに、一日で詰ることが出来ます。


CR術前写真.jpg  CR術後写真.jpg


A)インレー(金属の詰め物)                                    

虫歯が歯の2面以上に拡大した場合には強度的にコンポジット・レジン(白い詰め物)は適さず,型をとって金属の詰め物を作製します。その場合は必然的に通院回数が1つの歯に2回になります。またこの金属は安全性が認められているものの,お口の中で使用しているのは我が国だけということに注意が必要です。アメリカやヨーロッパなどに留学やビジネスで滞在する機会の多い方には,お勧めできません。 またかつてはアマルガムという水銀中心の金属の詰め物も治療が行われていた経緯があります。現在,このアマルガムを使用している歯科医院はほとんど無いと思いますが,かつての治療にてアマルガムの詰めてあるかたは交換することをお勧めしています。
 

インレー画像.jpgメタルインレー’.jpg


3.虫歯の穴(実質欠損)が深い場合
歯の中にもすべて手や足と同じように神経と血管が通っています。そのため,虫歯が深くなって虫歯菌が神経の中に入りこむと歯の神経(歯の根)が炎症を起こします。すると,そのことで痛みが生じます。この痛みはほとんどが“夜眠れないくらいの痛み”や“ズキズキした痛み”と表現されます。こうなると,ただ単に虫歯を削って詰めるだけの治療では治らず,神経の治療(根の治療)を行わねばなりません。
 一口に歯の神経と申しましても前歯と奥歯(臼歯)では神経の数が全く違います。すなわち奥歯は前歯の3から4倍の神経が存在しています。しかも歯の神経もあらゆる方向にその枝を出しているため,虫歯菌を駆除(無菌)するのは非常に努力を要します。

 このことから,如何に虫歯菌を神経に侵入させないことが重要であるかがお分かりいただけると思います。 当院では超音波や殺菌・清掃能力のある薬の応用,治療の間に虫歯菌に再感染しないような仮の詰め物の利用など様々な工夫を行っております。それは神経の中は患者さまからは見えませんが,治療の基礎部分に当たるためだからです。家づくりと同じで基礎部分を疎かにしないことが歯科医療の根幹であると考えるからです。神経の治療が芳しくない場合は患者さまが希望されても審美的な被せ物 のご要望にお応えできかねる場合もありますので,ご了承ください。


RCF core FCK 画像.jpg


4.虫歯の穴(実質欠損)が大きい,神経の治療を行った場合
虫歯の穴が大きかったり,神経の治療をした後には,歯の強度は極めて低下しています。咬み合わせの力は体重と同じくらいとも言われていることから,その歯は負担過重になってしまいます。そのまま放置した場合は亀裂や最悪のときには割れてしまうこともあります。
 それを防ぐために被せる必要が生じます。(神経の治療を行った場合は更に,土台を被せる前に作る必要があります)保険の範囲内の材料は前歯でも白く出来ますが,臼歯は銀歯(金属の被せ物)のみとなります。詰め物と同様に金属は日本固有の成分であり,世界水準ではないことには注意が必要です。前歯は経年的には変色が起こり,黄色味がかかってしまうのでこちらも定期的なケアーが必要です。
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前装冠.jpg   前装冠2.jpg

歯の神経の治療

歯の神経の治療が必要なケースは次の2つです。

@)生きている歯の神経の中に虫歯菌が侵入し,神経が炎症を起こしている場合

                  → 歯の神経の治療に局所麻酔が必要です。 

 

A)すでに歯の神経が何らかの原因により死んでしまっている場合

→ 歯の神経は死んでいるので局所麻酔は必要ではありません。 

 

 

 いずれにしても,もともと歯の神経があった部分は空洞にすると細菌が再び繁殖してしまうので,その部分を薬で埋めなければなりません。この薬をガッタ・パーチャと呼び, 現在では最も安定しているとされています。

 その後,虫歯で多くの歯の部分(歯質)を失っているので,それを補う土台が必要になります。土台にもいくつか種類があります。金属の土台が一般的ですが,歯の根が咬み合わせの力に負けて折れてしまう危険性が近年,指摘されています。そのため,歯の機械的な性質に近似した土台が注目を集めています。これはファイバーコアと呼ばれ,高密度のファイバーが用いられており,歯が折れる危険性が有意に減少することが報告されています。特にブリッジなど大型の被せ物にする際には考慮していただきたい土台です。

ファイバーコア.png

 

土台を接着して被せ物の形を整えたら,型どりに移行していきます。

→ 保険の被せ物の種類にに関してはこちら

→ 丈夫かつ審美的な被せ物に関してはこちら 

痛くない治療へ向けての試み

患者さまが歯科で一番恐怖されることは何と言っても痛みだと思います。誰でも痛いことをされるのは嫌いです。ただし歯科の場合,どおしても虫歯が大きいときや神経の治療が必要なことも多々あります。そんなときに威力を発揮するのが麻酔です。一方,麻酔自体が恐怖の対象であることも事実です。そこでなるべく痛みが少なくなるような麻酔の工夫が必要となります。
当院では麻酔をする場合には必ず,表面の麻酔を行い,針が刺さるときの痛みを軽減させます。
   

また麻酔を電動の機械で行うことにより,痛みを抑えるられるとの報告があることから2種類の電動式の注射器の設備があります。
orstar'.jpg  電動注射機 画像.jpg

虫歯の予防 お薦め

 患者様の皆様は歯磨き剤とモンダミンなどのうがい薬(洗口剤)を併用されているでしょうか?

また,どちらから先に行ったほうが良いかお考えになったことはありますでしょうか?

 現在,虫歯予防の大国であるスウェーデンでは歯磨きの後に口をゆすぐ水の量は少量にするべきとのコンセンサスが得られています。なぜなら歯磨き剤に含まれているフッ素がゆすぐことにより流れてしまうからです。ただし,米が主食の日本において歯磨きの後は食べかすを大量の水でゆすぎたくなると思います。この矛盾した二つの点を改善する方法があります。

 

@歯磨きの前にうがい薬(洗口剤)で大量にうがい

A発泡剤が含まれていない歯磨き剤でブラッシング

B少量の水でゆすぐ

 

では,どんなうがい薬(洗口剤)と歯磨き剤が良いのでしょうか?

・うがい薬はWeltec社から販売されているコンクールFがお薦めです。 

 日本の製品ではヨードやアルコール系のうがい薬の方が有名ですが,欧米でうがい薬の成分として効果が高く,第一選択となっているのはグルコン酸クロルヘキシジンです。コンクールFはこのグルコン酸クロルヘキシジンを含有しています。

 

 

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・歯磨き剤も Weltec社から販売されているジェルコートFがお薦めです。 

 フッ素が含有されていることは歯磨き剤の絶対条件だと考えていますが,それ以外にも様々な薬理効果がある成分が入っています。

 また研磨剤や発泡剤という歯磨きにおける両刃の剣が含まれていないことから,歯が削れたり,磨き足りなくなることを防ぎます。

 ユーザーの方の第一声は“歯がツルツル”する!が多いです。

 

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小さなお子様の虫歯予防

 ブクブクうがいや漱ぐことが出来ない,ミントの香りや味が嫌いな小さいお子様のお父様,お母様はおられるでしょうか?通常であれば,歯磨き剤や液体歯磨きに含まれるフッ素が効果的であるにもかかわらず,それが出来ないことで虫歯になるのでは?と心配されていると思います。そこで,このようなお子様にお薦めなのがライオン DENTから発売されているCheck-up foam (チェックアップフォーム)です。こちらの商品は低香味で泡状の歯磨き剤であり,フッ素も950ppm含まれています。この商品をお子様がお使いの歯ブラシに適量持ってもらい,歯磨きしてもらうことにより,虫歯の発生を抑えます。当院の小児歯科専門医も自分の4人の子供たちに使用して全員,虫歯ゼロです。

お子様も歯磨きが大好きになりますから,お父様・お母様のご負担も減るので,是非お試しください。

 

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